数理科学科の各研究室を紹介します。

現象数理研究室
現象の本質を抽出し、数理的に理解する

この研究室では、現象を方程式などで表現して、その解の性質を調べる活動を行います。特に、形や状態が時間的に変化しているような現象を取り上げ、それらを数式等で表現するため、数学だけでなく関連した物理や化学などの勉強も行います。また、方程式の解の性質を調べるために、必要となる数学理論やコンピュータによるシミュレーションの技術を学び、いろいろな視点から研究をすすめます。

応用数理研究室
左手にコンピュータ、右手にペン

コンピュータで数式を数式のまま扱って微分や積分、方程式の求解を行うソフトを「数式処理システム」といいます。そこでは高度な代数学の理論が駆使されますが、実際にシステムとして実現するにはコンピュータに対する深い知識も必要とされます。この研究室では数式処理の理論と応用をはじめ、数値解析や画像処理など、コンピュータと数学のかかわりを研究しています。

代数学研究室
鍛えられた思考力とコンピュータで数学の世界を探検しよう

代数学、とくに整数論といわれる分野をコンピュータによる実験も援用して研究します。現代の整数論の研究は、人間の思考力の限界に挑むような壮大な理論から、知識のない人にも理解できるような初等的なアイディアまで、大変バラエティに富んでいます。これらを学ぶためには、論理的思考力を鍛えることと、コンピュータなどで実例を目で見ることの両方が必要です。

教育システム研究室
日本の教育システムが果たしてきた社会的役割を問いなおす

日本の産業が発展した要因の一つとして、教育の普及が指摘されてきたように、教育による人材の育成は、今日の社会を持続・発展させていく上で不可欠なものです。本研究室では、今日の教育システムが果たしてきた社会的役割を、各種の産業との関わりや、地域社会との関わりから検討しています。具体的には、文献調査や聞き取り調査などによって資料を収集し、その分析に取り組んでいます。

非線形数理研究室
数学を使って自然現象を理解する

熱の伝わり方・音の伝わり方等の自然現象は、微分方程式と呼ばれる方程式で表されます。非線形数理研究室では、この微分方程式を調べ、どんな現象がおきているかを数式から理解することを目標としています。ゼミでは、決められたテキストや論文を各自が分担して勉強し、発表します。自ら学ぶ姿勢が身につき、数学をより深く理解することができます。

数値解析研究室
計算結果を信頼できる世界の構築へ

当研究室では、計算の品質に関する研究を行っています。計算に誤差が発生する環境において、いかに正しい結果を高速に得るかを研究しています。たとえば、計算結果の誤差がある範囲内であるように計算方式を設計、また関数の符号を高速かつ正しく求める手法を開発しています。世の中を支える科学技術計算に、数学的に保証された品質という概念を組み込むことを目標としています。

空間数理研究室
高次元や無限次元の世界を数式でつかみます

数学だけではなく物理学や工学においても、3次元や4次元の世界をこえた高次元または無限次元の世界が登場します。物理学では素粒子を点ではなく「ひも」としてとらえますが、3次元空間内の「ひも」全体は無限次元の空間になります。このような高次元、無限次元の世界を代数的な手法で探る代数的位相幾何を研究しています。分類空間とよばれる空間のコホモロジーの計算を研究テーマとし計算力に裏付けられた数学を目指しています。

協調制御研究室
制御システムの調和:集中・単一から分散・協調へ

人間は複数の人が力を合わせてやれば多くの難しい問題が解決できます。自然界でも鳥や魚などの動物が一定規模の群れを結成し、有効に獲物を獲得し外敵を防御しています。この手法はシステム制御分野では協調制御と呼ばれ、近年注目されています。本研究室では実システムを対象に、協調制御に基づくハイブリッド型制御系設計を研究し、コンピュータシミュレーションを用いて検証を行います。

構造数理研究室
自然界に潜む対称性を分析する

自然界のいたるところに『対称性』が潜んでいます。数学において対称性の概念は群(ぐん)と呼ばれる代数構造によって記述されますが、数理物理学や計算機科学の発展に伴って『スーパー群』『量子群』『テンソル圏』などといった群の概念を拡張する様々な代数構造が考えられるようになってきました。本研究室では、このような群とその仲間たちの研究を通して、様々な理論の背後に潜んでいる対称性を理解することを目的としています。

数理物理研究室
数学と物理の美しいコラボレーション

私の研究室では、ミクロの世界の物理法則である量子力学に関係するテーマを、数学の立場から研究しています。1つは「非可換幾何学」です。「非可換」とは「順番を入れ替えたら異なる結果になる」ということで、ミクロの世界と関係の深い研究です。もう1つは量子力学の原理を応用した「量子コンピュータ」です。これが完成すれば今より桁違いに大量の計算ができるようになります。将来性のある研究です。

非線形解析研究室
方程式を、解かずして解く

微分方程式は未知関数とその導関数に関する方程式であり、自然科学や社会科学のあらゆる現象を記述できます。微分方程式の解はそもそも存在しないこともあり、また存在はするが既存の関数では表現できないこともあります。つまり微分方程式は新たな関数を生む可能性を秘めているのです。さて、この新しい関数の存在や性質を、方程式を解かずにどうやって研究するのでしょうか。本研究室では数学の理論でこのような問題に取り組んでいます。

計算数理研究室
アルゴリズムに潜む数理を探求

本研究室では、数値計算アルゴリズムを可積分系理論の視点から研究しています。可積分系とは解が具体的に書き下せる特殊なクラスの微分・差分方程式であり、数値計算アルゴリズムとの密接な関係が知られています。例えば、生物種の捕食関係を記述する方程式の数理構造を利用すると、行列の固有値が計算できます。美しい数理構造をもつ可積分系理論を軸に、科学技術計算に応用できる優れたアルゴリズムの定式化を目指します。